目標は種付けから出荷までの一貫管理
若手人工授精師
畜産農家は細かく分けると、牛を生ませてから、生後20ヶ月まで育てる「繁殖農家」と、子牛を飼ってきてから20ヶ月ほど飼育して市場に出荷うする「肥育農家」の2つに分かれる。本牧場は黒毛和牛を2000頭以上飼育している肥育農家であるが、その2割ほどは本牧場で生ませた牛達で、将来的にはその割合をもっと増やしていく予定だそうだ。それはなぜかと言うと、種付けから出荷まで一貫管理することができれば、自分たちの理想とする肉用牛により近づけることが出来るからだ。もちろん、成長過程を全て知り尽くしているからこそ、安心安全と言う点も自信を持って提供できるのもポイントだ。
その本牧場の繁殖部門を一手に担うのが若手人工授精師だ。まだ、牧場に入ってから10年にも満たないが、大規模な本牧場で種付けから子牛を生ませるまでの繁殖を1000頭以上も手がけてきたため経験は豊富だ。若いながらも他の繁殖農家からも相談を受けているようだ。この若手人工授精師の力もあり、本牧場は県の平均受胎率を大きく上回る7割を実現し優良農家にランクされている。
常に牛達に目配り、気配り、心配りを欠かさない。向上心旺盛で、今後は肥育まで手がけたいと意欲満々。後輩も1人でき、人材育成にも力が入る。