創業100年、三代続く窯元「染付窯屋 眞窯」
1919年に創業した瀬戸の窯元「染付窯屋 眞窯」。戦後から染付を手がけ、三代目となる加藤眞也氏が受け継いでいる。瀬戸の伝統的技法で祖父の代から続く流し込み・鋳込みを見直し、その特長を活かして手軽で清潔感のある器づくりを行っている。眞窯の器は、スタイリッシュな中に手描きの温もりが残るものづくりを心掛け、現代の生活にもよく馴染む。現在作陶するのは、三代目・眞也さん、妻の美穂子さん、四代目となる娘の真雪さんの3人だ。染付が非常に美しく繊細で絵画としての完成度も高く、「染付窯屋」と名乗るのも頷ける。
眞也氏は繊細さの中に凛とした力強さを感じる染付、美穂子さんはのびのびとおおらかで優しい風合い、真雪さんはモダンでスタイリッシュと、三者三様の作風で作陶している。そんな絵付が施される器は、粘土を水に溶かして作った泥漿(でいしょう)を石膏型に流し込み成形される。流し込み成形と染付が大好きだと語る眞也氏の器を手に取ってみると、それを表すように磁器は一つ一つ丁寧に仕上げられていることが分かる。瀬戸染付焼の特徴である優しく味わい深い磁器の白い肌と、そこに映える青から藍色の呉須絵具で描かれた染付。暮らしの中で白と青のコントラストを楽しんでほしいという思いで、眞窯は器作りを続けている。