今治タオルに求められるのは第一に「吸水性」
国内最大のタオル産地、愛媛県今治市。なぜ、今治のタオルはこれほどまでに信頼されているのか。その理由は豊富な水資源にある。高縄山系を源流とする水は、重金属が極めて少なく硬度成分も低い軟水で、晒しや染めに適した良質な水だ。今治の水で晒しを行うことで、繊維が柔らかく優しい風合いになり、染めも鮮やかになる。清らかで豊富な水資源のある今治市だからこそ、100年以上の歴史を刻みながら、タオル作りの技術を発展させることができたのである。その高い技術を維持、向上していくために設けられた、今治タオルの認定基準。まず重視されるのは、吸水性だ。
「水に浮かべたタオルが水中に沈み始めるまで、5秒以内」という基準。つまり、優れた吸水性を持つタオルだけが、「今治タオル」を名乗れるのだ。その吸水性の高さでおろしたてでもよく水を吸ってくれるから、洗濯をせずにすぐに使い始めることができるのも嬉しいところ。更に、毛落ちや色落ちもしにくく、有害物質の残留も限りなくゼロに近い基準を設けているため、肌の弱い人や赤ちゃんまで、安心して使うことができる。安心・安全のための基準はもちろんのこと、毎日繰り返し洗っても品質が保たれるよう、耐久性に関しての基準も設けられている。破れにくさ、洗濯で寸法が変化しにくいかなど、数々の厳しい基準をクリアしたタオルだけが、今治タオルと呼ばれるのだ。